FT世界の成り立ち †
FatalTwister(フェイタルツイスター)は真新しい世界である。
「クォータニオン」の物語が始まる刻より、
さかのぼることたった15年前、FT世界は生まれた。
FT世界は、ほぼ同時期に次元圧壊によって滅びた2つの世界
……「CelestEdge(セレストエッジ)」と「EarthGrid(アースグリッド)」の継承体である。
CE(セレストエッジ)世界、EG(アースグリッド)世界、
それぞれの終末期に、世界の代表者として女神が一人ずつ立てられた。
CE世界の女神「マナ」の導きによって「神性の流れ」が、
EG世界の女神「ノア」の導きによって「欲望の流れ」が、
それぞれFT世界に注ぎ込まれる。
二人の女神は「神の櫃」の中に収まって「世界の核」を成し、
二つの流れを糸のように絡ませあって「生命」を紡ぎだした。
「生命」の中に封じ込まれた記憶はやがて具現化し、
人々は、この新しい世界において肉体と精神を取り戻すことに成功した。
元の二世界を模して、大地や大海も再生された。
人の手によって創られたもの、都市や神殿は残念ながら原形を留めていなかった。
しかし、人々は力を合わせて世界を再建に尽くした。
5年もすると、二人の女神を象徴君主とする統治国家が誕生した。
10年目には、世界の文明はほぼ元通りのレベルにまで復興した。
さらに5年、女神の子とされるユリルが国の皇女として立ち、世界の長となった。
こうして今のFatalTwister(フェイタルツイスター)世界に至る。
FT世界に住む人々 †
前世界から辿り着いた人々 †
FT世界の創成とほぼ同時に出現した「人間」は200人。
内訳はCE世界とEG世界よりそれぞれ100人ずつ、
いずれも女神マナと女神ノアが、人間であった頃に近しい人物たちであった。
彼らは、実際には女神たちが行った「生命を紡ぐ」のプロセスで
FT世界に再誕したにもかかわらず、それを感覚として認知していない。
「寝て、起きたら、新世界だった」という程度の認識でしかない。
(無境界(シームレス)に、この世界に接続されてきたかのように感じている)
ただし激変した環境……変わり果てた地形と、滅びた都市の残骸から、
自らたちの身に何かが起きたことを知って驚くしかなかった。
混沌から世界を救ったのは、その中の一人マリウス=ユリテームス、
彼はその優れた頭脳で「世界に何が起こったか」を分析し、
「二つの前世界から新しく一つの世界が創成された」ことを卓見した。
マリウスの手によって新しい世界の創成が明るみになると、
CE世界出身の神官たちにより、彼らの崇拝する「女神マナ」が権威化され、
女神を称える神殿が作られた。
この動きが、やがてできる統治国家の礎となった。
「生命」の糸を紡ぎ、出現した人々 †
二人の女神が前世界から引き継いだ「生命」の量は、数億人分。
それに対して、始まりのときに出現した人間は「200人」
女神たちは創成のあとも「世界の核」の中で生命を紡ぎ続け、
その試みが進行するたびに、FT世界に新たな「人々」が再誕された。
遅れて世界に「移行して来た」彼らもやはり、先の200人同様、
あたかも前世界での生の延長に、この世界があると認識している。
こうしてFT世界創成後に再誕した人間は、数万人にのぼる。
いずれもが世界創成から10年以内に、再誕しており、
10年目以降、新たな「再誕」は行われていない。
これは、世界の体積に対して、現在の人口が限界数であると、
女神たちが判断したためだといわれている。
統治国家の形成、四つの地方の誕生 †
神官たちの手によって「女神マナ」が単一神であるかのように崇めたてたのに、
EG世界出身の者たちは反発し「女神ノア」への信仰を深めた。
大陸東の森林に、CE世界の出身者が神殿を作って住むようになると、
EG世界の出身者は反対に、西の荒野に暗黒街を作って潜んだ。
出自にこだわらない技術者たちが南の草原に学術都市を構成し、
残る、孤独を好むものたちの手によって北の雪原に開拓村が作られた。
こうして東西南北の4つに、志向の異なる4つの民が分かれて住むこととなった。
FT世界はあくまでも女神を君主とする単一の統治国家であるが、
便宜上、人々はこの4地方の各々を「東の国、アズラドラグーン」や、
「西の国、ブランスタイガ」など「国」という言葉を使って呼んでいる。
事実、EG世界の民によって作られたブランスタイガは、
自治勢力による軍事力ももつ「準国家」の様相を示しており、
ことあれば独立してやろうと強かに構えている。