魔法の基礎 †
魔法とは、魔力を由来とする現象を能動的に起こす方法のこと。
通常、分光器・術櫃・装具の3つが一体となった「魔法陣」を用いて
行われることが多いが、その一部や全部が異なることもある。
FT世界の前世界の一つEG世界において、
9世紀頃より学問として体系化された。
FT世界もEG世界同様、七種の純粋魔力によって、
物質や物理法則が構成されているため、魔法の技術が運用できる。
魔力(マナ) †
魔力混合素(マナフラックス) †
魔力は通常、魔力混合素という状態で世界を巡っている。
魔力混合素は、純粋魔力が分解しやすい形となって、
流れを成しているものである。
三角魔力素(デルタ) †
魔力混合素の正体は、「三角魔力素」の混合体である。
「三角魔力素」とは6種のピュア・マナのうち、
相反関係((炎⇔氷、樹⇔雷、光⇔闇))にない3種類が、
三角を為して回転しているもので、
炎樹光・炎樹闇・炎雷光・炎雷闇・氷樹光・氷樹闇・氷雷光・氷雷闇
の8つの組み合わせがある。
純粋魔力(ピュア・マナ) †
純粋魔力とは、FT世界の万物を構成する根源要素である。
各々の要素の中に、物理法則が内包されているため、
外世界の力に対する抵抗力を持つ。
(我々の住む現実世界における「素粒子」のような基本物質と、
「4つの力」(万有引力・電磁気力・弱い力・強い力)のような基本法則が
渾然一体となったようなものと考えていい)
純粋魔力には以下の6種類がよく知られているほか、
それらを統合する第7純粋魔力の存在も
マリウス・ユリテームスによって予見されている。
| 名称 | 色 | 属性 | 根源となる物理法則 | 代表的な魔力現象 |
| アクセリオン | RED | 炎属性 | 物体の加速 | 火炎、熱 |
| ディセリオン | CYAN | 氷属性 | 物体の停滞 | 氷、凍結 |
| ヴァイタロン | GREEN | 樹属性 | 物体の創発 | 風、生命回復 |
| エレクトロン | MAGENTA | 雷属性 | 物体の相克 | 雷、電撃 |
| エスフォトン | BLUE | 光属性 | 物体の発散 | 閃光、分解 |
| グラビトロン | YELLOW | 闇属性 | 物体の集積 | 地震、重力 |
| ルナティシオン | WHITE | 月属性 | 物体の循環 | 時間制御 |
魔法陣 †
魔法陣とは、魔法の使用に必要な仕組みである、
分光器・術櫃・装具の3つが一体となった道具。
ただし、場合によってはこれらの要素のいくつかが省かれていたりする。
魔力分光器(マナ・プリズム) †
魔力混合素を純粋魔力に分解するための装置。
6属性マナが完全なバランスを保った物質、
「魔力結晶体(マナ・クリスタル)」を触媒に、純粋魔力の分解を行う。
魔力結晶体の精度が、そのまま分光器の性能を左右する。
単に「分光器(プリズム)」ともいわれる。
「魔力結晶体」はM2ランク前後程度のものが自然に採掘され、
それ以上の精度のものは「精錬魔法」を使って精製される。
装具(インターフェイス) †
装具には外装が含まれる。
ゆえに「杖」「本」など、魔法陣の外見的な特徴は、
装具に負うところが大きい。
魔法と使用者と装具の意思疎通には、
特定のキーワード体系を使用し、それは詠唱(スペル)と呼ばれる。
この詠唱を解釈し、適切にアルゴリズムを制御するのも装具の役割である。
この詠唱(スペル)は誤発動防止の役割を果たしている他、
魔法に追加設定(オプション)を施すときにも有用である。
大半の術式(アルゴリズム)がEG世界ミレ大陸圏で発達したことから、
中世ルオンティ語を、詠唱用の言語として使用するのが一般的。
だが、EG世界17世紀以降、装具に言語翻訳機能を付加する試みが始まり、
EG世界19世紀以降、ならびにFT世界においては、
9割の魔術の施術には世界言語エスペラを、詠唱に用いることができる。
術櫃(アルゴリズム・キューブ) †
「どんな魔力現象を起こすか」を、
立方体状の強化物体に記憶しておいたもの。
術櫃に記憶された魔力現象を「術式(アルゴリズム)」と呼ぶ。
純粋魔力をリアルタイムにコントロールする技術には、
特別な才能が必要としたが、この術櫃(アルゴリズム・キューブ)の登場によって、
魔法を使用できる人間が爆発的に増加した。
Mランク分類 †
EC世界9世紀末に策定された魔法陣の強度分類。
M1〜M9クラスまでが存在し、数が大きいほど高い強度を誇り、
より強力な魔力現象を起こすことができる。
Mランク分類は、「魔法陣」の階級だけでなく、
それに相当する「術式」の格付けや「分光器」の精度にも用いられている。
魔法に関する諸知識 †
魔術と魔法 †
魔法のうち、術櫃(アルゴリズム・キューブ)を通したものを特に「魔術」という。
アルゴリズム・キューブを使用しないときは単に「魔法」というか、
術櫃に対する代替手段の名を持って「○○魔法」と呼ばれる。
(たとえば、ユリルは召喚した精霊をもって術櫃の代理とする「召喚魔法」を使用する)
「魔術」を使うことを「施術」、「魔法」を使うことを「施法」という。
魔力資質(ファンダメンタル) †
マナ収斂速度の個人差のこと。
世界成分中のマナをどれだけの速度で、
魔法陣に集めてくることができるかを、マナ収斂速度と呼ぶ。
マナ収斂速度は、魔法陣の性能と使用者の体質で決まる。
魔法の使用にあたっては、当初、生まれながらに特別な才能が
備わっていなければモノにならないという考え方が支配的であった。
現在は、魔法陣の性能向上などから、どんな人間でも
後天的な努力によって、一定の魔法を使用できるとされている。
しかし、このマナ収斂速度の個人差だけは、先天的なものが大きく、
体組織の改造などの外法を除けば、向上させる方法がない。
それゆえ、このマナ収斂速度に関する使用者個人の資質を
術者の魔力資質(ファンダメンタル)と呼ぶ。
施法技術 †
魔法の使用に関して、利便性を高めるために、
特別な施法が用いられることがある。以下に例を示す。
早口詠唱(ラピッド・スペル) †
詠唱(スペル)の文言は短ければ短いほど、発動にかかる時間は短縮されるが、
短縮された詠唱(スペル)は誤発動するという弱点がある。
そこで精神が高度に集中している場合に限って、
短縮された詠唱(スペル)を用いることができるような仕組みが、考案された。
それが「早口詠唱(ラピッド・スペル)」機能である。
ただし精神感応デバイスは希少であるため、
M5クラス未満の魔法陣に早口詠唱機能が搭載されるのは稀である。
瞬間展開(インスタント・エキスパンション) †
早口詠唱と同様、時間短縮系の施法技術。
しかし、短縮の仕組みは大きく異なる。
「早口詠唱」が、あくまでも使用者と装具の間の
意思疎通のためのロスを短縮するものであるのに対して、
「瞬間展開」は純粋魔力の収斂速度を通常よりも高めることで、
魔力現象の展開速度「そのもの」を向上させる。
瞬間展開は場合によっては、使用する魔法の性質も変えてしまう。
例えば、炎の矢を飛ばす魔法の展開速度を倍にすれば、
その炎の矢は「より速く」飛ぶ。
瞬間展開には、速度倍率の2乗分の収斂速度が必要となる。
例えば、通常の3倍の速度で魔法を展開したい場合、
3x3=9倍の収斂速度を必要とする。
演算内蔵方式(ストアド・プロシージャ) †
よくある「術式」の連携をパターン化し、
一つの詠唱(スペル)からパターンを呼び出す施術方式のこと。
精製に時間のかかる「術櫃」自身に手を加えないため、
パターンの組み換えは戦闘中にも可能なほど簡便。
比較的高度な魔法を、柔軟に運用できるのが特長。
施法事故 †
主に高度な魔法の施法にあたって、注意するべき現象がいくつかある。
これらを施法事故と呼ぶ。
ここでいう事故とは、通常の意味ではなく、危険な現象の総称を言う。
たとえ、実際には人損物損がなかったとしても、
あるいはもし有益なことが起こったとしても「施法事故」と呼ぶ。
残響(リヴァーヴ) †
高度な魔法を施法するとき、使用済みの純粋魔力が散逸しきらずに、
偶然、元のアルゴリズムの相似形を生み出すことがある。
この結果、その場で使用者の意図せぬ、魔力現象が発生する。
これが「残響」と呼ばれる施法事故である。
ある種の攻撃魔法のように、強い指向性をもつ魔法の場合
「残響」は大抵、本来の指向と真逆の方向、つまり使用者に向かってくるため、非常に危険である。
これを特に、反作用残響(リアクト・リヴァーヴ)と呼ぶ。
また、「残響」はノイズの原因となる。
施法に精度が要される場合は「残響無効(リヴァーヴレス)」という、
補助的な魔法を同時に施法して「残響」を防ぐ必要がある。
魔法の進化の歴史(EC世界) †
術式(アルゴリズム)に関しては、10世紀中ごろ、
禁呪使いリーウ・エルクランベリーによって
既にM8クラス向けのものが考案されていた。
しかしながら、当時の技術では魔法陣はM6クラスまでしか精製不能であった。
それゆえこれら高クラスの魔法は、M8クラス魔法陣と同等の機能を持つ「聖具」シリーズなど、
同時代の人間が作ったものではないオーパーツの所持者に限られた。
高クラス魔法陣の開発が困難である最大の要因は「分光器」の精度。
ある精度の「魔力結晶体(マナ・クリスタル)」の精製には、
準ランクの精度の「魔力結晶体(マナ・クリスタル)」を
大量に用いて「精錬魔法」を施法する必要がある。
天然に入手できる「魔力結晶体(マナ・クリスタル)」の精度は、
M1~M3程度であるため、M6を越える高精度の分光器の生産には、
とてつもない経費と時間を要した。
最終的にM9クラスの魔法陣が登場するのは、
EC世界30世紀末にマリウス・ユリテームスがゼ・ダンを発明するまで
実に2千年以上の歳月が必要だった。